製鉄やセメント、化学品製造のように原料や資材にカーボンを使用するためにCO₂排出が避けられない分野では、プロセス後の排ガスからCO₂を分離回収し大気への放出を抑えることでCO₂排出量を削減することが現実的な手段とみられる。CO₂分離回収技術には主にアミン吸収法、膜分離法、物理吸着法の３つがある。アミン吸収法はCO₂を選択的に吸収するアミンを用いた技術で、大量のガス処理に適し液化炭酸ガスの製造にも用いられるが、プロセス中の熱源単位が高くスケールメリットが求められる。他方、CO₂を選択的に透過する膜を使う膜分離法とゼオライトなどの多孔質物質の吸着作用を利用する物理吸着法は熱利用原単位が低く、中小規模の工場排ガスからのCO₂分離回収での利用が期待されている。