【炭酸ガストピックス】
25年度上期炭酸・ドライアイス市場
旺盛な需要に恵まれるも、玉調達に課題抱えるガスメーカー

24年度比で安定も、細かなソーストラブル続く

昨年、一部プラントの大型定修にソーストラブルが重なる事で、例年以上の急激なタイト化に見舞われた国内炭酸ガス・ドライアイス市場。25年度上半期はこうした異常事態も無く、比較的安定した推移を示したものとみられる。
ただし、ソーストラブルが全く無かったわけではない。今年度も一部ソースで、定修前後のトラブル発生による修繕期間の長期化が見られた他、本誌№1067の「地域市場再発見・北海道」でも取り上げた、25年9月の日本製鉄・室蘭のスラグ流出事故による、原料ガスの供給停止といった事態にも見舞われた。これらの例に限らず、稼働歴が長く老朽化の目立つ国内プラントは、同様のリスクを常に抱えている状態にある。メーカー各社では、こうした不意のトラブルに対する警戒を常に強めているような状況である。

【ヘリウムトピックス】
岩谷技研が取り組むヘリウム利用のガス気球で世界初の宇宙遊覧体験

ヘリウムの浮力を用いたガス気球で、一般人が気軽に宇宙と地球の景色を楽しむことができる取り組みが、北海道で進行している。江別市を拠点とするベンチャー企業、岩谷技研（いわやぎけん、岩谷圭介社長）では、顧客を同気球に乗せて地上18～25㎞の高さにある宇宙の入り口〝成層圏〟まで連れていく『宇宙遊覧』事業をまもなく開始する予定だ。

【エレクトロニクス特集】
半導体生産の次なる舞台へとせり上がるインド、日系半導体関連企業も進出に本腰

エレクトロニクスはAIを取り巻くデータセンターの需要が市場を牽引するという構図が続くが、もはや経済だけでなく地政学も絡み、複雑な構造になりつつある。とりわけ米中関係の影響などから、新たな市場としてインドへの関心が高まりをみせる。
インドは国家戦略として半導体産業の構築を積極的に進めている。約14億5000万人の人口世界一の国では、近年スマートフォンや自動車、PC、データセンターなどの需要拡大を受け、2023年の半導体最終製品市場規模は約300億＄強、30年には1000億＄以上の規模へと急成長する見通しが立つ。ただ現状、半導体は中国・台湾・韓国からの輸入に依存する。今後の需要拡大に加え、地政学の観点からインド国内での安定供給体制の構築が急務とされる。